安心・安全に暮らせる多文化共生社会のまちづくりを目指して…

外国人のための防災セミナーの様子

静岡市国際交流協会では、在住外国人への防災意識の向上を図る目的で、2010年より毎年『外国人のための防災セミナー』を実施しています。今年度は、2月20日(土)に静岡県地震防災センターで行われました。参加したのは、当協会が主催している「生活日本語教室」の受講者さんや、今年度からスタートした「静岡市外国人市民防災リーダー養成講座」の受講生さんたち。日本語の理解度が高く、在住歴も長いため、災害時は特に日本語の理解度が低い在住外国人へのサポート役が期待されています。

セミナーでは、母国と日本の地震発生状況を確認したり、地震や津波の起きるメカニズムを学んだりしました。普段はなかなか行く機会のない施設、学ぶ機会のない分野であるため、参加者はみなさん刺激的だった様子。特に、外国人の中には被災経験が無い人もいるため、地震体験コーナーでのマグニチュード9・震度7の揺れは、災害のリスクを知るには十分過ぎるくらいの経験となった様子でした。また、体験を通して感じた事をシェアするために、グループディスカッションも実施。ハザードマップから避難想定を調べたり、絵を見て危ない場所がどこなのかを考えたり、「もしも」の時の準備として備蓄しておくべき物は何かetc.話し合いました。

災害時は、行政から避難に関する情報が発せられます。しかし、外国人の中には…

  • どのように避難すれば良いのかが分からない
  • 避難所の場所が分からない
  • 避難所での行動の取り方が分からない

…など、言葉や文化や生活習慣の違いにより、トラブルに巻き込まれたり、場合によっては命を脅かす事態にまで発展してしまったりする事も考えられます。日本語でのコミュニケーションに不安がある外国人や、生活習慣etc.に配慮が必要な外国人は、地域から孤立しがちです。このセミナーの参加者の方々には、そんな時に地域社会との架け橋になったり、社会参画をアシストする役割も期待されています。当協会も、外国人を対象とした災害時支援体制の拡充と共に、要配慮者への防災知識の普及や体験型の訓練を実施するetc.安心・安全に暮らせる多文化共生社会のまちづくりを進めていきます。